サイスタジオ・劇団昴提携公演「ハーフライフ」を観劇に行った。
何回も稽古場を見学させて頂いていたので話の筋も結末も知っていたのに、芝居中も、カーテンコールも、帰る道すがらでも涙が止まらなかったのは何故だろう。
そしてふと、一年程前、シアターΧで「アニエス・ベラドンヌ」という芝居を見た日を思い出した。
あの時も、えもいわれぬ何かで胸が一杯になり、カーテンコールが終わり客電がついても涙が止まらなかった。
誰がどんなセリフを言ってどこで感動したかなんてもう欠片も覚えていない、けれどもあの日から私の胸には何かが残っている。
今日もそれと同じで、一年もすれば、どんなセリフがあったか覚えているのかさえ怪しい。
しかし多分、私の胸には一年後でも十年後でも今日得た何かが残り続けている事だろう。
具体的にわからなくても、上手く説明できなくても、私の中に起こったそれを思い出す度に、何かが光り瞬くのを感じるのだ。
それにしても、小竹向原の暗い道をハンカチ片手に号泣しながら歩く女はさぞ不気味だった事だろう。
9/18【2年13番♀】