人気ブログランキング |

モスクワ滞在記

こんにちは。JOKO7期卒業の吉川ひみこです。

ロシア語の勉強のために1ヶ月間ロシアの首都モスクワに滞在していました。
ロシアと言えば有名な演技メソッドを創設したスタニスラフスキーや、多くの名作を残したチェーホフを輩出した演劇大国。街中にはたくさんの劇場があり、毎晩様々な芝居が幕を開けています。私も、滞在中、毎晩のように劇場に通い、面白くて刺激的な芝居をたくさん観ました。
今記事では私がロシアで観た芝居や劇場を紹介致したいと思います。


b0134715_17201931.jpg

ボリショイ劇場。ロシアで一番有名な劇場でしょうか。ここではバレエとオペラが上演されています。私はここでオペラ『フィガロの結婚』を観ました。現代風にアレンジされた演出で、有名絵画を大胆に使った舞台セットや衣装に驚かされました。

b0134715_15121337.jpg

マールイ劇場。ボリショイ劇場のすぐ隣にあります。有名古典劇のスタンダードな演出が観られます。公演の直前でも安い席が残っていることが多く、モスクワ滞在中一番通った劇場です。ここではチェーホフの『三人姉妹』やシェイクスピアの『リア王』、ロシアで人気の高いゴーゴリやオストロフスキーの作品を観ました。舞台セットや衣装が作品の時代設定に忠実に再現されているものが多く、見応えがあるものばかりでした。

b0134715_15261784.jpg

チェーホフ記念モスクワ芸術座。日本で言う"モスクワ芸術座"はここです(ゴーリキー記念モスクワ芸術座という別の劇場もあります)。人気のある劇場なので、公演直前になると高い席のチケットしか残っていませんでした。ここではチェーホフの『桜の園』と、ゴーゴリの短編『外套』を観劇しました。特に『外套』の芝居が素晴らしく、今でも頭の中にはっきりとアカーキ・アカーキエヴィチの声が残っています。天井から吊るされた3つの外套、舞台を仕切る黒い大きな引き戸、それらが物語が進むごとにダイナミックに動いて、ゴーゴリの世界観を豊かに表現していました。興味深かったのは効果音です。全て舞台袖で鳴らしていたのですが、転換の時や役者が大きく動く時に、歌舞伎のツケのような音が聞こえてきたのです。引き戸といい、そのツケの音といい、日本の伝統演劇を参考にしたのかもしれません。また亡霊を表す衣装として、ペストが流行していた時の中世ヨーロッパの医者が被っていたような鳥型のマスクを使用しているのも面白かったです。演技や演出だけでなく、舞台セットや音響・照明、衣装など全てが見所になるような芝居でした。


b0134715_15192263.jpg

マヤコフスキー劇場。ロシアで一番行って良かったと思えた劇場でした。ここではゴーゴリの『結婚』とドストエフスキーの短編を元にした芝居を観ました。ロシア語が未熟な私でもほとんどの台詞が理解出来るくらい分かりやすい演出になっていて、どちらの芝居も大変満足しました。

b0134715_16104309.jpg

タガンカ劇場。モスクワ中心部から少し外れたところにある劇場です。ここではブルガーコフの名作『巨匠とマルガリータ』を観ました。演劇への情熱を感じる3時間40分で、生命力に溢れた演出と演技に、最後は涙が出ました。

b0134715_17011541.jpg

ユーゴザーパド劇場。モスクワ郊外にあります。下北沢の小劇場のような雰囲気です。演出も現代的で、ゴーゴリの作品がノリノリの音楽に乗って上演されてました。

b0134715_17143525.jpg

レンコム劇場。他の劇場と雰囲気が違うのでドキドキしながらプーシキンの『ボリス・ゴドノーフ』を観劇しました。10台のモニターとカメラを使った斬新な演出で、脳みそを揺さぶられるような芝居でした。

b0134715_23035613.jpg

オペレッタ劇場。主にミュージカルが上演されています。ちょうど滞在中に『アンナ・カレーニナ』のミュージカルをやるというので、街中そのポスターでいっぱいでした。レベルの高いダンスと壮大な舞台セットで、誰でも観やすいミュージカルになっており、日本人留学生の間でも話題になっていました。

今回私が実際に芝居を観に行けた劇場はこの8つしかありませんが、モスクワには有名な劇場がまだまだたくさんあります。そしてどの劇場も外観が美しいので、劇場巡りをするだけでも楽しい気分になってきます。
また、歴史の古い劇場が多いので、そういう劇場のロビーにはちょっとしたミュージアムがあります。コートや荷物を預けるクロークや軽食が食べられる場所もあるので、早めに劇場に足を運んでみるのも楽しいです。チェーホフ記念モスクワ芸術座には舞台写真や俳優の肖像画だけでなく、衣装や小道具まで展示してあるので、特にオススメです。

印象的だったのは、ロシアの日常に演劇が溶け込んでいたこと。
劇場の客席は、若者のカップルからお年寄りの方まで、幅広い年齢層の人達で埋まっていました。客のほとんどは演劇が特別好きというわけでもなさそうで、たまたま劇場寄ってみたら面白そうな演目をやっていたからチケット買って来ましたとでも言うような、日本で言う映画館感覚で劇場を訪れている人が多いような気がしました。
また観劇の姿勢は、日本の歌舞伎に近いものを感じました。有名な俳優が出てくれば待ってましたとばかりに大きな拍手が起き、素晴らしい芝居をした俳優には劇中でも拍手とブラボーの声が贈られていました。

ロシアは芸術に優しい国。美術館も博物館も劇場も映画館も格安の料金で入れます。演劇人であれば誰でも興奮するような材料が街中に散らばっていて、1ヶ月の滞在ではとても見切れないほどでした。今回の留学の目的はロシア語の上達でしたが、演劇が当たり前にある国で、演劇の捉え方が変わるような体験がたくさん出来ました。演劇の聖地という言葉がぴったりの国でした。言葉が分からなくても、面白い芝居はちゃんと面白いと感じられるので、演劇好きな方はぜひ一度ロシアを訪れてみるといいと思います。きっと素敵な体験が出来ると思います。

ここまで長い記事をお読み頂きありがとうございございました。
終わりに、モスクワの美しい街並みを紹介させて下さい。

b0134715_05242594.jpg
赤の広場にある国立歴史博物館。当時の民衆の生活を知ることができる貴重な資料・白樺文書も見られます。

b0134715_05251586.jpg
グム百貨店。大きな百貨店で、世界的に展開しているブランド店が多く入ってます。

b0134715_05255515.jpg
バフルーシン記念演劇博物館。舞台画や衣装スケッチ、イメージ絵画など充実した演劇コレクションが鑑賞できます。

b0134715_05265156.jpg
晴れていれば適当にシャッターを切ってもきれいな街が撮れます。

b0134715_05273225.jpg
最後はチェーホフ記念モスクワ芸術座のある通りの入り口に置かれた、あの2人の銅像!


ありがとうございました!




by joko_acting | 2017-09-29 17:10 | 卒業生
<< 歴史 合同交流会について! >>