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歯車を目撃した日【1年1番♂】



横浜駅で大学浪人をしている「僕」を見つけた。目は虚ろ、いくらか太っていて汗だく。気持ちが悪い。僕は声をかけようと近づくと怯えた顔をしていた。
「本当に行きたいか考えた方がいい」
そう「僕」にいうやいなや彼は怒って消えていった。彼は人の話など聞かず閉じこもる性格だったと思い出した。
地元の駅に着くと中学生の「ボク」がいた。友人を待っているらしくそわそわしていた。
また僕は話し掛ける。




「歯の矯正を取っただけではかわらないよ」
「ボク」は泣いていた。
容姿に目がいきすぎて、他の事にまったく目をいかせず、他人の目を気にしているのが歯痒かったのだ。
泣く「ボク」を後にして僕は家へと歩く。歩道橋の前に小学生の「ぼく」がいた。友人の家に行くところだった。
「嫌なら、行かなければいい」
「ぼく」は反論する。
「せんせいがなかよくしろって」
一回呼吸をして、そうだねと頭をなでて「ぼく」と別れた。 無邪気は恐ろしい。
家に帰ると昨日の僕がいた。
「ただいま。昔の僕にいっぱい会ったよ。」
昨日の僕はニコリとした。
「なんて声をかけたと思う?」
「わかるよ。昨日のお前なんだから」
そうだった。彼らもいつかの時は昨日の僕だったのにこんなにも違うんだ。どこに境界があるんだろう。 それを明日の僕にも教えてあげなくては。そして目を開いてみた。


5月8日【1年1番♂】
by joko_acting | 2011-05-08 18:13 | 一年生
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