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にゃー猫 #5【2年2番♂】

どうも僕です。


タイトル関連の話を続けてきましたが、没になった戯曲版「にゃー猫」の内容にも触れていこうと思います。


もう日の目を見ることはないだろうから、こういう所でぐらいはね。
なんせ四年越しの付き合いなもんで。


この超マイナーブログをどれだけの人が読んでくれているのかは分かりませんが、数少ないその方々の暇つぶしぐらいにはなれるよう頑張って書きます。


うん、戯曲の内容というか、作家として何を書きたかったのかっていう辺りに焦点を当てた方がいいかな。

内容を説明したところでね…戯曲ってのは上演されなきゃ何の意味もないから。それに作者の偏った見解で戯曲を縛り付けるのは、あんまりよろしくない。


「にゃー猫」執筆にあたって一番考えていたのは、実はそのあたりだったりするんですよ。


作家ってのは、役者がいなきゃ何も出来ない無力な人間なんです。

上演してくれる人がいなきゃ劇作家なんてニートでしょ。自分一人で全部やっちゃえば別ですけどね。


つまり芝居を上演することにおいて、作家はでしゃばるべき存在ではない。裏方であるべきだし、実際、裏方だと思うのです。


役者は戯曲を必要としているのであって、作家を必要としているわけではない。
現場で実際に芝居を作っていくのは役者、演出、その他スタッフです。テーブルワークで戯曲さえ提供すれば用済みになる作家が、現場という可能性に満ちた創造的空間に必要以上に介入すべきではない。


だから、特にト書きによって色々と制限を加えるのは極力避けようと思ったのです。そういう意味での作者的要素を出来るだけ排したかった。必要最低限のト書きと創造において手助けになる台詞、これを一番意識しました。


これは没になった「にゃー猫」だけでなく、書き直して採用された新台本にも共通している部分の一つです。


新台本に至っては、さらにその部分が徹底されてまして、台詞の中に「…」「−」「!」など、使い勝手のいいこれらの記号は一度も出て来ません。「、」「。」「?」だけで全ての台詞を繋いでいます。


(急に怒って)
(ややあって)
(笑って)
(間)


こういったト書きも一切ありません。こんなもん、決めるのは現場の人間の仕事だからね。

裏方らしく作家は黙ってろ、ってことです。


段取りとしての動きを指定するだけの形にしました。


ただ、僕もこういう書き方が正しいと思ってるわけではなく、かなり実験的な意味合いが強いです。


役者からしたらノーヒントで構築していかなければならないわけだから、結構大変だと思います。
相槌を打つだけの台詞なんかも基本的に書いてないので、役者が「うん」とか「ああ」とか、自発的にやってくれないと成立しない(繋がらない)長台詞も結構あります。





役者をかじった経験上、例えば以下のようなやり取り。


男 どこかへ行くんだ!
女 ……。
男 行けって言ってるだろう!


こういう時、男役は女役の「……。」を待ってしまうことが往々にしてあるんだよね。うちらみたいな半人前はさ。個人的にそれって嫌いなんだ。


しかも「!」がついてるもんだから、人によってはそれだけでイメージや言い方が凝り固まってしまう危険がある。その裏側まで読もうとすらしなくなってしまうんだ。


ある程度作家のイメージを提供することで役者の手助けにはなる。が、反面、可能性を狭めてしまうとも思う。


役者の端くれとして可能性は無限大であってほしいと思うから、一つの実験として記号とト書きを排除するという手法を試してみました。


はてさて、どうなることやら。


10月27日 【2年2番♂】
by joko_acting | 2010-11-27 11:56
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